ADHDの暮らしの知恵

ADHDのアラフィフ主婦がADHDとうまく暮らしていく知恵を共有します

ADHDの息子のこと・2(小学1年生のとき)

小学校に入学すると、同じクラスに息子と似たタイプの子、いわゆる「やんちゃ坊主」と呼ばれる子が5人いました。

授業中に歩き回る、頻繁に忘れ物がある、授業を聞かずに消しゴムやセロテープを使って工作をしている、集団行動ができない、怒りっぽくて喧嘩っ早い……そんな子が5人もいたのです。担任は心労でみるみる痩せてしまいました。

急遽、保護者会が開かれ、5人の子の親が呼び出されて、それ以外の子の親から責められました。「お母さんは、この状況をどう思っていますか」と問い詰められました。

私のところには、毎日のように担任から電話がかかってきて、学校での息子の様子を聞かされました。そのたびに、学校から帰宅した息子をきつく叱りつけました。母親としてできることは最大限やっていたつもりでした。しつけが甘いとも思いません。それどころか、厳しすぎるしつけをしていたと思います…。

その頃、息子は夜中に夢遊病のように起き上がり「ぼくはまいにち学校で先生にしかられてばかりで、すごくつらい」と言いながら泣き続けることが何度もありました。そのことを他のお母さんたちに伝えたら、みんな黙ってしまいました。

お母さんたちは、親や先生から毎日のように叱られ続けている子供の心が、どれほど傷ついているかを、そのときに初めて実感したのかもしれません。「わが子と同じなんだ」と。

帰り道、5人のやんちゃ坊主のうちの1人のお母さんが、話し掛けてきてくれました。「うちには長男がいるんだけど、その子もずいぶんやんちゃでね。でも、学年が上がるにつれておとなしくなっていった。5年生になったら他の子と変わらなくなった。大丈夫よ」と言ってくれました。その言葉がどれほど嬉しかったかわかりません。